サバちゃん

 昨日スーパーから帰る途中、くだんの鯖猫に出会った。
 鯖猫は塀の上で昼寝していた。起こさないように忍び足で近づくと、鯖猫は舌を出したまま眠っている。
 初めて鯖猫と出会った時も舌を出したままミーミー鳴くので、口内炎なのだろうかと心配したが、今度はもっと間近で舌を見ることが出来た。
 健康的と言えるのかどうか全くわからないが、非健康的とも言い難い舌だった。
 鯖猫は薄く目を開けこちらを見て一声「ミー」と鳴いた。
 全体、「眠い」と言っているのか「舌が痛い」と言っているのか、あるいは「こんにちは」「ごきげんよう」「気持ちの良い秋晴れですね」と言っているのか、判然としない。
 開ききらない目をこちらに向けながら「ミー」である。
 再会を祝し、彼(彼のように見える)をサバちゃんと名付け、今後を見守ることに決めた。