2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

魔法をかける方法

最近ずっとミヒャエル・エンデを中心に据えて読書していますが、今日もその話題。 エンデの童話集『魔法の学校』(矢川澄子他訳、岩波書店、1996年)に収められている「魔法の学校」(佐々木田鶴子訳)では、作家の“わたし”が世界のどこかにある“望みの国”を…

“時間の花”

(『モモ』の重要な場面の引用がありますので、未読の方や、その部分を知りたくない方は、画面をスクロールさせるなどして、このエントリーを読まないようにしてください。) 『モモ』という小説が“時間”を題材にしていることは一読すればすぐに明らかなので…

ミヒャエル・エンデの世界

『モモ』、『はてしない物語』、『ジム・ボタンの機関車大旅行』及び『ジム・ボタンと13人の海賊』と、ミヒャエル・エンデの長編小説を読んできた中で、一貫して感じたことがありました。 彼の小説を読んでいると、まるで、本の世界が眼前に浮かび上がってく…

おそれにうちかつ

『モモ』、『はてしない物語』を書いたミヒャエル・エンデの、児童文学での処女作『ジム・ボタンの機関車大旅行』では、「おそれにうちかつ」ことが、ひとつのテーマになっていると思います。ある場面で、主人公の少年ジムは、突然現れた「見かけ巨人」に驚…

イチゴ・マジック

自分が低血圧だということに気付いたのは、大学に入ってからだったような気がします。 記憶が定かであれば、大学の保健センターに自由に使える血圧計があって、風邪や膀胱炎などで体調を崩しがちだったころ、内科を受診するついでに血圧を測ったりしていまし…

来週はホワイトデー

先ほど、はてなキーワード開発ブログに、キーワード紹介の記事を投稿しました。 内容はこんな感じで、今回はホワイトデー関連のキーワードをご紹介しております。 みなさまこんにちは。 空気も徐々に春めきだし、梅や早咲きの桜が盛りを迎えていますが、いか…

『はてしない物語』

☆☆☆☆☆ (ミヒャエル・エンデ 上田真而子、佐藤真理子訳、岩波少年文庫) 小さい頃に大好きだった映画『ネバーエンディング・ストーリー』の原作。 少年バスチアンは、ある雨の日、古書店で出会った「はてしない物語」と題された本に魅了され、ひとり学校の屋…

『モモ』読後感の続き

昨日書いた『モモ』の読後感について、エントリーを投稿した後も引き続き考えていた。自分の書いたことではあるのだけれど、なんだかどこか違う、うまく書けていない、という気がして、『モモ』読後感問題が、頭の片隅に居座り続けていた。 おかしいのは、た…

『モモ』

(ミヒャエル・エンデ著、大島かおり訳 岩波少年文庫) ☆☆☆☆☆(とても面白かったの意) 「時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語」−−と、副題にあるとおりの物語。けれど、読み進めていくうちに、この物語は、単純…

ただつぎのことだけを考える

ミヒャエル・エンデの『モモ』を読んでいて、こんな一節に出会いました。 主人公モモの親友である道路掃除夫が、モモにこう言います。 「なあ、モモ」・・・「とっても長い道路をうけもつことがあるんだ。おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、…