クリスマス・カロル

「僕はクリスマスがめぐって来るごとに――その名前といわれのありがたさは別としても、……もっとも、それを別にして考えられるかどうかはわからないけれど――とにかくクリスマスはめでたいと思うんですよ。親切な気持ちになって人を赦してやり、情ぶかくなる楽しい時節ですよ。男も女もみんな隔てなく心を打ち明け合って、自分らより目下の者たちを見てもお互いみんなが同じ墓場への旅の道づれだと思って、行先のちがう赤の他人だとは思わないなんて時は、一年の長い暦をめくって行く間にまったくクリスマスの時だけだと思いますよ。」(ディケンズ村岡花子訳、新潮文庫14頁、スクルージの甥の言葉)

ディケンズの『クリスマス・カロル』をクリスマス前に読みました。現在もまったく古びていない名作です。
キリスト教徒ではないけれど、こういう気持ちですごす日が一年に一度あるっていいなあと思いました。