読書

魔法をかける方法

最近ずっとミヒャエル・エンデを中心に据えて読書していますが、今日もその話題。 エンデの童話集『魔法の学校』(矢川澄子他訳、岩波書店、1996年)に収められている「魔法の学校」(佐々木田鶴子訳)では、作家の“わたし”が世界のどこかにある“望みの国”を…

“時間の花”

(『モモ』の重要な場面の引用がありますので、未読の方や、その部分を知りたくない方は、画面をスクロールさせるなどして、このエントリーを読まないようにしてください。) 『モモ』という小説が“時間”を題材にしていることは一読すればすぐに明らかなので…

ミヒャエル・エンデの世界

『モモ』、『はてしない物語』、『ジム・ボタンの機関車大旅行』及び『ジム・ボタンと13人の海賊』と、ミヒャエル・エンデの長編小説を読んできた中で、一貫して感じたことがありました。 彼の小説を読んでいると、まるで、本の世界が眼前に浮かび上がってく…

『はてしない物語』

☆☆☆☆☆ (ミヒャエル・エンデ 上田真而子、佐藤真理子訳、岩波少年文庫) 小さい頃に大好きだった映画『ネバーエンディング・ストーリー』の原作。 少年バスチアンは、ある雨の日、古書店で出会った「はてしない物語」と題された本に魅了され、ひとり学校の屋…

『モモ』読後感の続き

昨日書いた『モモ』の読後感について、エントリーを投稿した後も引き続き考えていた。自分の書いたことではあるのだけれど、なんだかどこか違う、うまく書けていない、という気がして、『モモ』読後感問題が、頭の片隅に居座り続けていた。 おかしいのは、た…

『モモ』

(ミヒャエル・エンデ著、大島かおり訳 岩波少年文庫) ☆☆☆☆☆(とても面白かったの意) 「時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語」−−と、副題にあるとおりの物語。けれど、読み進めていくうちに、この物語は、単純…

クリスマス・カロル

「僕はクリスマスがめぐって来るごとに――その名前といわれのありがたさは別としても、……もっとも、それを別にして考えられるかどうかはわからないけれど――とにかくクリスマスはめでたいと思うんですよ。親切な気持ちになって人を赦してやり、情ぶかくなる楽…

『作家の猫』他多

最近、ゆっくりではあるけれどいろいろ読んでいたのに全くメモしていなかったので、久しぶりに書きます。 『作家の猫』(コロナブックス編集部、平凡社、2006年) もはやねこ好きは作家たる必要条件ではないかと思えてしまう書。自分は魯迅と妙に相性が悪い…

魔女の宅急便その2 キキと新しい魔法

作者の角野栄子さんは猫と住んだ経験があると思う、ジジの何気ない動作は本物の猫そっくり。キキもジジも、ますます成長して、きっとどんどん大人になっていくんだろうな。

これは読書?

以下の梅田さんの文章はとても良かった。 http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070811/p1 わたしも体が弱いので、力を込めて、同感、と打たせて頂きたいです。 梅田さん頑張ってください!(ここは、頑張ってください、と言わない方が良いのかな?)

裁判長!ここは懲役4年でどうですか?

(北尾トロ、文春文庫) 裁判員制度が始まるし、裁判のことを知りたいと思って購入した。普段全く足を運ばない裁判についての内容はとても参考になるが、被害者に対する同情や共感という点で著者の姿勢には不満を感じる。ワイドショー的とまでは言えないものの…

ニシノユキヒコの恋と冒険

(川上弘美著、新潮文庫) 発情小説だと思った。ニシニユキヒコも女性達も発情期真っ盛りの感じだ。十代から中高年までずっと発情。(恋愛小説だから仕方ないのかな) 語り手の年齢と性格にあわせて語り口調を変えている。最も違和感を感じたのは一話目だった…

ねばちっこい経営

(遠藤功、東洋経済新報社、2006年) 人と組織の「ねばちっこさ」が重要だとする、事例に富んだ経営書。とても面白かった。 以下は特に面白かった部分の抜粋など。 深く、粘り強く考えることによって、論理的な筋道が見えてくる。当然、そこから生まれてくる…