昔の友達

 今年、ずっと書いていなかった(正しくは、二年間書いていなかった)年賀状を久しぶりに(3年ぶりが正しいけど気持ちの上では久しぶり)書いて、高校や中学、小学校時代の友達から現在はてなでお世話になっているスタッフまで、色々なかたに送った。
 絵も宛名も全て手書きで書いて、そうそう日本のお正月ってこうだったわあ、と、送るだけで幸せな気分になったのだけれど、返事を貰った時にはもっと嬉しい気持ちになった。結婚しました、に始まって、結婚まだなの、○○に勤めています、まだ実家に住んでるよ、鍼灸を勉強中、など、年賀状で伝えられる「今」は、一緒に遊んでいた頃には想像もつかなかったものばかり。私自身も、自分の現在は過去には予想できなかった。
 メアドや電話番号を書いてくれた友達に連絡をして、久しぶりに声を聴くと、数年ぶりなのに以前と全く同じ元気な声の友達もいるし、子供を産んだせいか(はわからないけれど)雰囲気の変わった(少し疲れ気味の)友達もいて、嬉しいばかりだった。
 今日、そうやって年賀状から久しぶりに交流が再開した友達の一人との電話の後に、あ、これだ、これが必要なんだ、と思った。
 その理由はいくつかあるだろう。気の置けない友達と話す時間をもてたこと、懐かしい声を聞いてほっとすること、そして、昔の自分と現在の自分が繋がる嬉しさというか。。。
 高校、大学、大学院、住み慣れた場所を離れる時に、それ以前の自分の一部もその場所に置き忘れてしまうのかもしれない。
 年賀状を出した時から始まっていたことだと思うけれど、こうして、昔の友達とつきあうことは、過去の自分を取り戻そうとする行為でもあるように思う。
 私は、自分ですら忘れてしまった、昔の私のイメージを、友達と繋がることで思い出し、現在の自分をもっと確かなものにしたいのかもしれない。